le cadeau floral de la saison−季節を贈る花− 004



Palm web magazine をご覧の皆様、こんにちは。Jardin du I’llony 谷口です。
 
今月から南青山店がオープンし芦屋本店とをいったりきたりで充実した毎日を過ごしています。
 
日が落ちるのも随分早くなり 頬を撫でる風が冷たくなるのを補うように
 
植物たちは暖かい色を身に纏うようになってきます。
 
あんなに瑞々しかった新芽達もしっかりと葉を広げ赤みを帯びるようになりました。
 
花の美しさには、朽ちていくからこそのそれがあり、しかしながら我々フローリストが
 
日ごろ提供する花には、朽ちていく直前のあの退廃的で甘美な美しさというものは
 
なかなか提供する機会がありません。多くの方がつぼみの初々しさや華やかに咲き誇る姿を求められています。
 
そんななか、朽ちていく美を多くの方にも感じてもらえる花があります。
 
季節を贈る花 第4回は 秋色アジサイ を贈りたいと思います。

 
 
アジサイといえば、6月の梅雨の時期、小さな花が集まってなる大きな丸い房がまず頭に浮かびます。
 
厳密には、花のように色づく部分というのは実は萼(ガク)なのですが、だからこそ魅せることができる色の変化が多く人を虜にしています。
 
あじさいは 日本に古来からある野生植物ですが、今多くの人にあじさいとして親しまれているものの殆どは、西洋あじさいと言って、イギリスの園芸家が日本から持ち帰り改良を重ねていったもので、今ではヨーロッパだけでなく世界中で栽培されています。
 
 
そのため、輸入されるものなども多く、アジサイは通年花屋に並ぶ花となっています。
 
特にオランダから輸入されるアジサイは品質が高く、国内のアジサイのシーズンを過ぎた
 
ころから出回り始めるため、綺麗ではあるものの季節を感じるのが難しくなっています。

 
 
そんなアジサイですが、他の花と大きく違うところは、時期によって大きく色が変化するところでしょう。
 
ブルーや紫、ピンクや白など、初期のころにははっきりとした色合いが、
 
徐々にくすんだ雰囲気を帯、なんともいえないクラッシックやアンティークと表現されるような色あいに変化します。
 
切花として切ったものが、フレッシュからアンティークに変化するということではないのですが、切り出すタイミングとして立ち枯れる手前まで育てアンティークカラーになったものも切花として出荷され多くの人に愛されているのです。

 
庭咲きのものを楽しむ花であれば、立ち枯れる手前の美しさはほんとうに切なく息を呑むような美しさを感じることができるのですが、切花ではなかなか出会えないのが現状です。
 
いろいろな月日を重ね、経験したことによって生まれる美しさは、初々しさや瑞々しさには到底適わないものです。
 
力強さと儚さ。成熟した美しさを愛でる。そんなことが感じるとができる人に贈りたい花です。



photo & column  florist jardin du I'llony  ATSUSHI TANIGUCHI



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Palm vol.004 be happy
2010 August 10th ISSUE