レスラー -NJK vol.3-
本日は昨年のヴェネツィア国際映画祭でグランプリである
金獅子賞を獲得した、ダーレン・アロノフスキー監督の
『レスラー』を紹介します。
80年代に隆盛を極めた、かつてアメリカプロレスの
スーパースターだったランディが、
現在では平日の大半をスーパーの食品売り場で
アルバイトするほど生活に困窮し、周囲の元スター達が
リタイヤしていく中で彼は現役を貫いていました。
家庭を顧みずプロレスに明け暮れたことから
妻からは逃げられ、そして年頃の娘とは疎遠になっていました。
想いを寄せるベテランストリッパーからは振られ、
そして長年の筋肉増強剤の使用から、
試合中に心臓発作を起こして倒れてしまうのです。
主役のランディを演じるのは、ミッキーローク。
彼の名前を聞いて「おや?」と思う方も多いかもしれません。
何故なら彼もまた、80年代にセックスシンボルとして一時代を築き、
数々の話題作に主演したスーパースターだからです。
しかも長年の低迷していたことからその名前は忘れ去られ、
私生活では離婚も経験し、不摂生による肥満と
ボクシングによるダメージを補うための整形手術の後遺症から
かつての姿は見る影も無くなってしまいました。
家賃600ドルの支払いさえもままならない状況と言えば
如何に彼が追い込まれていたかが分かります。
当初ニコラスケイジの配役を予定されていたものの、
監督がミッキーローク主演に拘ったため、製作費は大幅に削減。
しかし、今年57歳のミッキーロークが命を削って
レスラーとしての身体を造り上げ、この役を熱演しました。
そう。
ランディとは、ミッキーロークなのです。
ミッキーローク一世一代の渾身の演技は、
観る者を揺さぶる強烈なエネルギーがあります。
漫画でも描けないような、ドラマチックな彼の復活劇を、
近日中に発売されるDVDで是非ご覧いただきたいと思います。
NJK
